はパーソナルオーダーメイドで作るスーツの仕立てと似ており、カウンターに並んだ客と話しながら、個々に合わせる作れるのが最大の魅力の料理です。

例え人気でもデザイナーの世界を押し付ける「吊しスーツ」とは、
根本的に異なるのです。
東京の店でも関西からの来訪者には、その人が好むだろう味を提供するのが、良い屋の基本です。
一方、最近の表層的人気の屋で見かけるのは、同時刻にはじまるおまかせメニューしかない店で、味や見た目はよくても、これでは「吊しスーツ」と同じです。
同じネタでも客によって包丁を変えるのが本物の屋の特徴で、最低4本は使い分けます。
つまり、どんなに「魚」に詳しくても、目の前にいる「人間」を理解することが乏しければ、良い屋になることはできないのです。
続いて「魚」ですが、良い屋は豊洲から仕入れるだけでなく、直取引以外にも川崎や横浜から仕入れます。
横浜の市場は、東京湾のなかでも横須賀や小柴の魚に強く、川崎には相模湾産の魚が多く入ります。
当然、仲卸との信頼関係も大切です。
これら「仕入れの様子」を、ただ映すだけでは面白みがありませんが、なにより大前提として、その屋は本当に良い寿司屋なのか疑問です。
「メニューがほとんど同じ」というのが、正直、信じられません。
魚には「旬」というのがありまして、これは産卵に備えて栄養を蓄えた時期を指し、ピークは二週間程度で、手前を「走り」、後を「名残り」といいます。
特に「走り」の時期は、季節を早どりして顧客に喜んでもらうのが屋の見せ所なんです!
江戸で真鯛を提供するなら、木場のほうから木の香りが漂う4月一週目だけが「走り」です。
マコガレイなら、6月10日前後。
ただし、例外が小肌と穴子です。
このふたつに関してだけ、他とは違った仕事が求められ(主に塩の打ちかた=淡雪かぼた雪か)、あとは旬より少し早い「走り」を提供するのが、屋の「粋」なのです。
また、現代の屋のノウハウで、大切なのは気候変動です。
サワラは、少し前まで佐賀が一級品でしたが、いまは秋田まで北上
これも刻一刻と変わりゆきます。
かくありまして、クリエイティビティはさておいても、毎週同じメニューを提供するような屋を選んだ貴君の問題が大変大きいと思いますね、他人の評価とキャラ優先してしまった。
もっと徹底的に「」そのものを取材してから仕事をはじめましょう。
ちなみに、天皇陛下に献上する際には、神道特有の握り方があります。
これを知ってるかどうかで「愛」がわかり、また、本物の職人は外出時に手袋をしていますので一目瞭然です。
「コツコツ続けていく」前に、どうか一度リセットを。
その後、本物の屋を見極め、大将のキャラに頼ることがない面白動画を作りましょう、例えiPhoneだけでも。

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